米ドル建て資産運用

50才から始める”守りの”資産運用① はじめの一歩!ドル預金とMMF

私がMMFに興味を持ったきっかけ

 今回まず、ドル預金とMMFについてお話させていただきますが、結論から言うと、私が今でも資産の一部として持ち続けているのは、MMFです。理由は後ほどお伝えします。

 私がMMFに興味を持ったきっかけは、⓪でも触れました、元モルガン銀行東京支店長の藤巻健史氏の著作です。彼がインフレ(もしかしたらハイパーインフレ)への備えとして勧めていたのが、「米ドル建MMFでドルを持つこと」でした。

 でも「MMF」って何でしょう。投資信託と違うのかな?ドルを買ったら、円と同じように貯金すればいいんじゃないかな?色々な疑問がわいてきます。早速調べてみました。

外貨預金(ドル預金)のメリットとデメリット

 MMFについてお話する前に、「ドルを買う」と聞くと「ドルの外貨預金」をイメージする方も多いと思うので、先ず外貨預金のメリットとデメリットから紹介します。

 外貨は、国内の銀行で普通に買うことができます。銀行によって扱う外貨は異なります。ネット銀行だと自宅にいながら手続きができ、手数料も割安なことが多いのでお勧めです。

 円預金と同じように、普通預金と定期預金があります。ドルを買う時、ドルを売る時に、それぞれニュース等で見る為替レートより少し高めのレートが適用される、という形で手数料を取られます。つまり、ドルを買う時は、市場のレートから期待するより手数料分だけ少ない金額のドルが手に入り、ドルを売る時には、期待するより手数料分少ない金額の円が手に入る、ということになります。

 手数料は銀行によって異なります。ホームページで確認できる銀行が多いので、興味がある方は確認してみてください。

 メリットとしては、まず元本が保証されています。但しあくまでも現地の通貨で、です。後にご説明する「為替リスク」は、MMF同様に避けることができません。

 二つめは、円よりも金利が高い通貨を選べば、その分利益を得られる可能性があることです。買った時よりその通貨が値上がりすれば、更に為替差益も得られる可能性があります。

 逆にデメリットとしては、まず先程の「為替リスク」があります。仮に1ドル100円の時にドルを買ったとして、売る際に1ドルが80円に値下がりしていると、手数料を別にしても、1ドル当たり20円の損失が出てしまう、ということになります。これが「為替リスク」です。

 購入および売却時の手数料も重要なポイントです。大ざっぱに言うと、ネット銀行に比べて、一般的な銀行の手数料は数倍高くなります。

 外貨と円を交換する際の「為替手数料」は、外貨預金でも外貨建MMFでも掛かりますが、MMFでは購入・売却時の手数料は無料です。

 また、外貨預金はペイオフの対象外なので、万一取引銀行が倒産した場合には資産を失ってしまう危険があります。一方のMMFは、「分別管理」する形で保証されています。もし外貨預金をするなら、複数の銀行に分けるのがより安全です。

 また、銀行によって、例えばドル預金をすると10%を超える優遇金利が付くキャンペーンをすることがあります。けれども、その優遇金利は3ヶ月のみなど期間が限られていることが多く、通常は普通預金で0.7%程度です(2023年8月2日現在 ソニー銀行)。定期預金では、3ヶ月で3.8%から6ヶ月で5%程度と魅力的な利率になります(同じく2023年8月2日現在 ソニー銀行)。MMFでは4.6~4.7%前後(SBI証券)なので、金利の面では定期預金とMMFが同じ程度になります。

 税金面では、外貨預金は利息と為替差益の両方が課税対象なのに対して、MMFでは利息のみです。

MMFのメリットとデメリット

 一方のMMFは、どうでしょうか。

 外貨建MMFは、「証券会社が販売する外貨預金」と言われます。MMFは「マネー・マーケット・ファンド」の略で、株式などに比べてより安全な公社債(国や地方公共団体、企業などが発行する債券)を投資対象とした投資信託です。

 メリットとしては、いつでも自由に解約できるので、外貨預金の代わりに使ったり、外国株投資の待機資金の置き場として活用できます。購入時の手数料や解約手数料は無料で、これは外貨預金に比べて大きなメリットです。

 但し、ドルなどの外貨と円を交換する際の為替手数料は、外貨預金より割安ですが掛かります。この手数料は証券会社毎に異なります。手数料の比較サイトがあるので、興味のある方は覗いてみてください。

 MMFはいくらから買えるのでしょうか。米ドルで買う場合には10ドルから、円で買い付ける場合には1,000円程度からと、外貨預金に比べて少額から購入できます。

 一方で、MMFのおそらく最大のデメリットは、資産運用で「節税対策の切り札」とも言える「NISAおよび積み立てNISA」が使えない!ことです。これは外貨預金も同じです。MMFの場合、運用で利益が出た場合には、売却時に出た利益に対して20.315%の税金が課せられます。10万円の利益が出れば、そのうちの20,315円が税金として差し引かれ、手取りは79,685円になる(実際には更に為替手数料が引かれます)、ということです。

 こうして比較すると、外貨預金と外貨建MMFとでは、MMFの方がメリットが大きいと言えると思います。どちらかで運用を考えるのであれば、外貨建MMFをお勧めします。私も現在、資産のかなりの割合をMMFで運用していますが、私の場合、NISA枠が使えないMMFの割合が高いのは、前述の藤巻氏の影響です。

 ところで、MMF(およびその他の金融商品)を購入したい!となったら、実際には何をすればいいのでしょうか。「50才から始める資産運用②」でご説明します。

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yumicha2021
60代特性あり男子。趣味はブログと資産運用です。