「50才から始める資産運用①~③」でお話させていただいたように、私は50歳からの数年間、米ドル建てMMFと豪ドルMMF、それに日本円の預貯金で資産を運用していました。
外貨建ての資産を持つと為替の動きによって損益が発生する、ということで経済ニュースへの関心が高まりました。しかしながら、購入して数年間はMMFの数字自体が大きく増えることはなかったので、運用を続けるうちに何となく物足りなく感じるようになりました。
そんな私が次に目をつけたのが、「仮想通貨」(法的には「暗号資産」)です。2017年のことです。結論からお伝えすると、2023年現在、ビットコインとイーサリアムは資産の一部として持ち続けています。理由は⑤でお話させていただきます。
暗号資産(仮想通貨)って何?
「仮想通貨」という言葉を聞いたことがある方は多いと思います。一番有名な仮想通貨は、「ビットコイン」でしょう。他にも「イーサリアム」「リップル」「ネム」「ライトコイン」など、現在では多くの種類があるそうです。2019年5月に仮想通貨に関する法律が変わって、法的な名称は「暗号資産」になりました。このブログでも、以降は「暗号資産」という名称を使っていきます。
では、その暗号資産とはどういうものでしょうか。ネットで検索すると、以下のような説明が見つかります。
「『暗号資産』とは、暗号技術が使用されインターネット上で利用できる電子的資産です。その代表的な存在が『ビットコイン』と呼ばれる『暗号資産』で、『ブロックチェーン』と名付けられた分散型台帳技術(DLT:Distributed Ledger Technology)において、暗号技術が使用されています。『ビットコイン』は、サトシ・ナカモトと名乗る人物によって2009年に原論文【Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System】が発表されました。『ビットコイン』はP2P(Peer to Peer)方式によってデータが交換・取引され、中央管理者や特定のサーバーが存在していません。にもかかわらず発表から11年が経過した今も、データが不正に書き換えられるなどの不具合は発生しておらず、ビットコインのブロックチェーンは「枯れた技術」の地位を確かなものとしています。『ビットコイン』の他にも、ビットコインからハードフォークした『ビットコイン・キャッシュ』や、ビタリック・ブテリン氏が考案した『イーサリアム』などがあります。日本においては、金融庁の登録を受けた仮想通貨交換業者20社にて、約20種類の『暗号資産』が取引可能となっています。」
お分かりでしょうか。「何のこっちゃ?」という方が多いと思います。ものすごく簡単に言うと、ビットコインをはじめとする「暗号資産」は、ネットワーク上に存在する電子データに過ぎません。けれども、今までもあった暗号技術を巧みに利用した「ブロックチェーン」という仕組みによって価値が守られている、ということだそうです。
2017年 「暗号資産元年?」
2014年に大量のビットコインが消失したとしてニュースになった「マウントゴックス事件」の前から、ニュースに時々出てくる「仮想通貨」って何だろう、と気になってはいましたが、事件以降私の中では「仮想通貨ってよく分からないけど、怪しい!」「怖い!」イメージが強くなりました。
そんな中、2017年4月に「資金決済に関する法律」が改正されて、仮想通貨交換業者が登録制になり、仮想通貨の売買・交換等が規制の対象になりました。このニュースを聞いて私が思ったことは、「ふーん、政府も存在を認めて法律を改正したんだから、少しは安全になったのかな。」でした。
2017 年 1 月に約11 万円だった1ビットコインの価格は、同年 12 月に約 220万円と約 20 倍に、同様にイーサリアムは約100 倍、リップルは約 370 倍になりました。このニュースを聞いて私が思ったことは、「えーと、1月にビットコインを1万円分買っていたら20万円。イーサリアムを買っていたら100万円。リップルだったら370万円。今どき、そんな美味しい話があるのか!仮想通貨って何なんだ!」でした。
気になった私は、早速書店や図書館に出かけて、ビットコインや暗号資産関連の書籍や雑誌を読み漁りました。結果分かったことは、
- 暗号資産はビットコインだけでなく、いくつも種類がある。
- 暗号資産は「取引所」で売買することができる。
- 登録している「仮想通貨交換業者(取引所)」は複数ある。
- 「取引所」に口座を開くことは、ネットでできる。
- 「取引所」にはそれぞれ特色があって、扱っている暗号資産の種類も同じではない。
- お勧めの「取引所」をランキングしたサイトがある。
といったことでした。
私と同じように暗号資産に興味を持ち、行動した方も多かったようです。この2017年を「仮想通貨元年」という人もいます。
翌2018年1月には、仮想通貨取引所Coincheckから約580億円相当の暗号資産「NEM」が流出しました。そのニュースを聞いて私が考えたことは、「これだけ騒がれたんだから、逆にセキュリティーは高まっているに違いない!」でした。
その年の夏、ついに私は「取引所に口座を開いて、ビットコインをちょっとだけ買ってみよう!」と決心しました。
GMOコインで口座を開設
「買ってみよう!」と決めたものの、複数ある暗号資産取引所の中でどこに口座を作るのがいいのでしょうか。取引所のランキングサイトをいくつか見ながら、複数のサイトで上位にランキングされている取引所ならまあ安心かな、と考えました。
もう一つ私が考えたことは、初めてで知らないことばかりだから、いくつかの取引所に口座を作ってみて、実際に取引をしながら自分に合った暗号資産や取引所を見つけていけばいいだろう、ということでした。私がそれこそ「おっかなびっくり!」初めて口座を作った取引所は、GMOコインでした。
GMOコインは、証券会社やFX会社をグループに持つ取引所で、強固なセキュリティーが売りです。取り扱い暗号資産は、2023年8月現在ビットコイン、イーサリアム、ビットコインキャッシュ、ライトコイン、リップル、ネムなどです。スマホアプリが私には一番使いやすく、日本円の出入金等の手数料が基本的に無料という所が決め手でした。
早速ネットで「GMOコイン」と検索しサイトを開くと、目立つ所に「口座開設」のボタンがあります。58で知らない世界に足を踏み入れようとするのですから、かなりどきどきしたのを覚えています。案内に従って氏名やパスワードなどを入力し、確認書類として免許証をスマホで写真に撮ってアップロード(データを相手(この場合はGMOコイン)のサーバーに転送すること)すると手続きは完了です。1週間から10日前後で「口座が開設されました」とメールが届いたと記憶しています。
GMOコインで実際にビットコインを購入してみる
手続きの時以上にどきどきしながらログイン(パスワードを入力して、自分のサイトに入ること)して、ログイン画面の下中央にある「トレード」ボタンを押します。まずビットコインを購入しようと決めていたので、左上にBTC(ビットコイン)と表示されているのを確認して、右上の「注文」ボタンを押しました。
ちなみに、暗号資産の表示は「イーサリアム」が「ETH」、「ビットコインキャッシュ」が「BCH」、「リップル」は「XRP」、「ライトコイン」なら「LTC」という具合になります。これらは、「銘柄選択」のページで選ぶことができます。
「注文」のページには、上に「成行」と「指値/逆指値」という二つのタブがあり、どちらかを選べます。暗号資産はリアルタイムで取り引きができるので、「成行」を選ぶとその時点での価格で購入できます。例えば2023年8月時点で、1ビットコインは420万円前後なので、その価格に基づいて取り引きを行う訳です。
もう一つの「指値/逆指値」は、株などの資産を取り引きしたことがある方ならご存知かと思いますが、簡単に言うと、「自分が取り引きしたい価格で取り引きする」ためのボタンです。ある程度の経験が必要なので、初心者の方は慣れてから使ってみるといいかと思います。私もはじめは「成行」で購入しました。
ところで、今何気に「1ビットコインは420万円前後」と書きました。「そんなに高くちゃ買えないよ!」と驚いた方も多いと思いますが、安心してください。ビットコインは、GMOコインの場合0,0001(10000分の1)ビットコインから購入できます。先程の金額で考えると、420円程度から買うことができる訳です。
「指値」の話に戻ると、借りにあなたが「この先ビットコインはきっと安くなる。400万円で買えるだろう。指値で買おう!」と判断したとします。そこで「指値」ボタンを押すと、画面が切り替わります。切り替った画面で、購入する場合は赤い「買い」ボタンを押し、取引数量を入力します。直ぐ下の「+1」「+0.1」「+0.01」のボタンを使っても、自分で( )BTCの( )内に入力してもOKです。
「注文タイプ」は、「指値」での取り引きであればそのままにします。「逆指値」取り引きは、損失を軽くするために行いますが、初心者向けではないと思うので、ここでは詳しく扱いません。次の「注文レート」に自分が希望する金額を入力します。先程の例だと、この数字を「4,000,000」に変える訳です。左右の「+-」ボタンを使っても金額を変えられますが、面倒なので、私は数字の枠内を直接クリックして書き換えています。
入力が終わって、下の「確認画面へ」ボタンを押すと、「注文確定」画面に切り替わります。レートなどを確認した上で「注文確定」ボタンを押すと、手続き終了。後は、取り引きが成立する(「約定する」と言います)のを待つだけ・・・のはずです。が、先程「ある程度の経験が必要」と書きました。
「指値」取り引きは、価格の動きを「読む」ことになるので、読みが外れると、いつまで経っても取り引きが成立しない(約定しない)ことになります。また、予想より価格が大きく動いた場合は、「もっと安いレートにしておけば(「売り」の場合はもっと高いレートにしておけば)良かった!」と後悔することもあります。「指値」取り引きにチャレンジするなら、その覚悟ができてからをお勧めします。
他の取引所の使い勝手
暗号資産取引所のランキングを見ながら、他にCoincheck、DMM Bitcoin、SBIVC Trade、Zaifなどの取引所に口座を開設してみました。結論から言うと、現在私はGMOコイン一択で取り引きしています。
Coincheckは、ランキングのサイトで「日本最大級、13種類もの暗号資産を扱っている」ことや「初心者でもアプリが使いやすい!」などがメリットとして挙げられていますが、私にはアプリの使い勝手が良くないと感じられました。ただ、ログイン不要で見られる暗号資産のチャート(1時間、1日、1週などの値動きを表すグラフ)は便利なので、今も活用しています。
DMM Bitcoinは、ローラがCMをしていたのでご存知の方が多いかもしれません。何ヶ月かメインの取引所として使いました。安全性も高く、気に入っていましたが、「手数料が高い!」という口コミが気になって、何となく使わなくなってしまいました。
SBIVC Tradeは、住信SBIネット銀行に口座を持っていることもあり、連携の良さに期待して使ってみましたが、扱う暗号資産の種類が少ないことや、リップルを重視した運営などが何となく合わず、やめました。Zaifもしばらく使ってみましたが、不祥事が続いて嫌になり、解約しました。
さて、こうして暗号資産の世界に足を踏み入れた訳ですが、運用で成果は上がったのでしょうか。次の「50才から始める資産運用⑤ 暗号資産、色々買ってみた!」でお伝えします。