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50才から始める”守りの”資産運用⑥ いよいよ米国株投資の世界へ

 50才で米ドル建MMFから恐る恐る資産運用を始めて、暗号資産にも手を出した私が、次に購入したのは、米国株(投資信託)でした。

米国株のインデックス投資を始める

 「50才から始める”守りの”資産運用⓪」でご紹介したように、私が資産運用を始めたきっかけは、元モルガン銀行東京支店長の藤巻健史氏の著作でした。私は今でも氏のブログ「プロバガンダ」を定期的にチェックしていますが、氏は「世界第3位の経済大国である日本の財政が仮に破綻すれば、米国株等にも大きく影響する」として、米国株等への投資を勧めていません。

 氏の言葉に従って何年間か米国株には手を出しませんでしたが、その間も書籍やブログ、YouTubeで資産運用関連の勉強を続けていました。ブログやYouTubeには、投資や資産運用に関して、有料級の情報を無料で提供してくれるものがいくつもあって、「いい時代に生まれたなあ」と感謝することが多いです。

 YouTubeの中で、私が今でも大きく影響を受けているのが、「両学長 リベラルアーツ大学(通称「リベ大」)」です。ご存知の方も多いかもしれませんが、投資や資産運用について様々な面から有益な内容を配信してくれていて、投稿総数は5年弱で約1700本、チャンネル登録者は約240万人にもなるそうです。精力的に配信を続けている両学長は、2020年に「本当の自由を手に入れる お金の大学」という書籍も出版しています。

 資産運用について学ぶ中で「色々な投資にチャレンジしてみたい!」と思い始めていた私は、両学長の動画を見続ける中で「この人は信頼できそうだ!」と判断し、米国株・債券等の投資については学長を「師匠」と決めました。そして、藤巻氏の言葉を気にしながらも学長が「初心者にお勧め」とする米国株(および全世界株)のインデックス投資を始めてみることにしました。

インデックス投資って何?

 先ず初めに「インデックス投資」についてお話します。いわゆる「投資」の対象には、株や債券(国内、米国、全世界など。国内債券の代表的な物の一つが「(個人向け)国債」です)、不動産などがあります。インデックス投資は、株に投資する手法の一つで、金融市場(マーケット)の値動きを示す指数(インデックス)の値動きに連動する成果を出すことを目指すものです。

 インデックスの代表的なものには、日本株だと「日経平均株価」「東証株価指数(TOPIX)」、米国株だと「NYダウ(ダウ平均株価)」「S&P500指数」「ナスダック総合指数」などがあります。私が買おうと考えたのは、米国のS&P500指数に連動するインデックスファンド(投資信託)です。

 ここで、「ファンド(投資信託)」についても、簡単にご説明しておきます。株や債券に投資する場合、個別の企業ごとに株や債券を買う方法と、ファンド(投資信託)を買う方法とがあります。個別株は例えばトヨタやアップルの株で、銘柄にもよりますが、ある程度まとまった金額が必要です。一方でファンドは、色々な銘柄を少しずつ寄せ集めた、言わば「お弁当パック」のような物で、百円程度の少額から購入できます。「インデックスファンド」に対して「アクティブファンド」というものもありますが、これについては、後ほど改めてお話します。

インデックス投資のメリット

 インデックス投資のメリットは、まず「少額で、分散投資ができる」ことです。資産の運用を考える場合、特に初心者は個別株ではなく、数多くの銘柄に少しずつ投資することをお勧めします。個別株への投資では、万一その企業が倒産すると、投資した大事な資産を回収することができなくなってしまいます。いくつもの銘柄に少しずつ分散して投資することで、万一の場合の損失を他の銘柄の利益でカバーすることが期待できます。これが「分散投資」の考え方です。

 二つ目のメリットは、「運用にかかるコストが低い」ということです。あなたが証券会社や銀行、郵便局などの窓口で資産運用の相談をしたとすると、窓口の人はにこにこしながら、購入時に手数料がかかる商品や年間の管理費用(投資信託は、管理費用がかかります)が数パーセントもかかるアクティブファンドなどの商品を勧めてくるかもしれません。その方が儲けが大きくなるからです。

 ですが、例えば今年から始まった新NISAで、1月中旬時点で一番人気の「eMAXISSlim(「イーマクシススリム」と読みます)全世界株式(三菱UFJアセットマネジメント)」(通称「オール・カントリー(オルカン)」)という投資信託なら、購入時の手数料は不要(「ノーロード」というそうです)の上、年間の管理費用は0.058%程度で済みます。

 資産運用の年間利益率(リターン)は3~7パーセント程度と言われています。仮に100万円を運用して年間5万円利益が出たとして、そのうちの数万円を管理費用で取られるのか、580円で済むのかでは資産の増え方が全く違ってきます。余談ですが、年間10パーセントを超えるような利益率をうたう商品もありますが、詐欺の可能性が高いので気をつけてください。

 先ほど「アクティブファンド」という言葉が登場しましたが、利益率で「インデックスファンドに勝つ」ことをねらうファンドで、人件費等を余分にかける分、先ほど見たように管理費用は高めです。高いコストに見合うリターンが得られるなら結構ですが、資産運用の世界は甘くはなく、運用関係の動画を見渡すと「9割のアクティブファンドは、インデックスファンドに勝てない」という記述が多く見られます。私も含めて資産運用初心者にはお勧めしません。

 三つ目のメリットは、「つみたてNISAで運用ができる」ということです。今年から新しいNISA制度(少額投資非課税制度)がスタートして話題になっていますが、新NISA制度の「つみたて投資枠」で運用できる投資商品は、インデックスファンドを中心とした金融庁お墨付きのもので、手数料が高いだけのいわゆる「ぼったくり投資商品」は含まれていません。ちなみに、「つみたて投資枠」は年間120万円までなので、単純に12ヶ月で割ると、毎月10万円まで投資できることになりますが、「一括で埋めてしまいたい!」という方には、ボーナス払い設定を利用して、一括でほぼ120万円の枠を埋める裏技もあります。

 つみたて投資のメリットは、主に三つあります。一つ目は「時間のない方でも取り組みやすい」ことです。一度設定をしてしまえば、条件に従って自動で購入が継続されるため、手間がかかりません。「もう少し待っていれば、もっと上がるんじゃないかな。」「買った途端に下がったらどうしよう。」などと悩む必要もありません。

 二つ目は、「購入する時期が分散されるので、リスクも分散できる」ことです。一般に「リスク」と言うと「危険」と同義語のイメージですが、資産運用の世界では、「価格が上がったり下がったりする振れ幅」を指します。定期的に一定金額を投資するため、「上昇の勢いにつられて、価格が高い時に買ってしまう」「更に下がることが怖くて、価格が下がった時に買えない」といった運用上不利な投資態度を避けることができます。

 三つ目は、「複利効果で、資産を増やしやすい」です。投資信託は、複利で運用できるので、運用益を積み上げやすくなります。

 いずれにしても、つみたて投資は長期での運用が前提です。

インデックス投資のデメリット

 逆に、デメリットとしては、

①インデックス以上のリターン(成果)は望めない

②元本割れの可能性がある(株も債券も、元本は保障されません)

③一定の運用コストがかかる

④短期間ではリターンが得られない可能性が高い

などがあります。これらについては、改めてお話させていただきます。

ABOUT ME
yumicha2021
60代特性あり男子。趣味はブログと資産運用です。