VIG(バンガード米国増配株式ETF)の魅力
私は現在、オルカンやS&P500、それにMMF(マネーマーケットファンド)をポートフォリオのメインにして運用していますが、サブで運用している資産の中に、VIG(バンガード米国増配株式ETF)というものがあります。このVIGも魅力のある資産なので、今日はそれについて少しお話をさせていただきます。
VIGは、10年以上連続で増配している(配当金を増やし続けている)米国株で構成されているETFです。ETF(上場投資信託)について詳しくお知りになりたい方はネットで検索をしていただければと思いますが、簡単に申し上げると、一日に一回決められた値段(基準価額)で取引される投資信託に対して、株式と同様にリアルタイムで売買ができる投資信託のことです。
私は、このVIGを両学長の「リベ大YouTube」で知りました。4年前の動画なので、現在は数字が変わっていると思いますが、設定(2006年4月)来リターンは年8.93%で、非常に高いトータルリターン(売却益+配当金)が狙えるファンド、とのことでした。
学長によると、VIGの大きな魅力は次の五つです。一つ目は、構成企業のコンセプトが分かりやすいということ。10年以上の連続増配実績を持つ企業ということは、厳しい競争社会の中で安定して稼ぎ続け、利益を株主に還元し続けている会社ということになります。言い方を変えれば、信頼と実績があるということで、これは投資をする上で非常に頼りになる、シンプルかつ分かりやすいコンセプトです。
2024年現在のVIGの構成銘柄数は182銘柄で、上位10社の内訳はMicrosoft、ビザ、プロクター&ギャンブル、ウォルマート、ジョンソン&ジョンソン、マクドナルド、コストコなどです。その中には、60年以上連続増配しているプロクター&ギャンブルをはじめ、40年以上連続増配している企業が半数以上含まれています。さらに、増配率や成長性も考慮されていて、業績の思わしくない企業は投資比率が控えめになっているとのことです。
魅力の2つ目は、高いトータルリターンが期待できるということです。世界最強の株式指数と言われるS&P500と比較しても、2007年からの成績では、VIGの方がわずかではありますが上回っています。仮に2007年にVIGに1万ドルを投資していたら、2019年末には3万ドルを超えていたことになるそうです。年利換算すると冒頭の約8.93%になります。
魅力の3つ目は、市場が暴落したときのダメージが、S&P500等と比較しても相対的に小さいことだそうです。リーマンショック時の最大下落率は、 VIGが-42.66%だったのに対して、S&P500は-52.20%でした。リーマンショックの年の一年間のリターンで見ても、VIGは-26.68%に対してS&P500は-36.79%と、やはりVIGの方が底堅くなっています。分配金で見ても、2008年から2009年を見ると、VIGは5%弱の減少に対してS&P500は20%ほど分配金が下落しています。両学長も、これらはあくまで過去の実績であって、将来どうなるかわからないといっていますが、暴落のダメージに対しても底堅さを持っているということは言えそうです。
4つ目の魅力は運用コストが安いことで、年たったの0.06%です。100万円を1年間運用しても、手数料は600円で済む、ということです。銀行や証券会社の窓口で販売されるファンドだと、購入時に2%~3%の手数料を取られ、毎年1~3%の運用経費が掛かるものもありますから、比べると100分の1近くで済むということになります。
魅力の5つ目は、将来高配当化する可能性があるということだそうです。2024年現在の分配金利回りは約1.69%で、決して高配当のETFではありません。むしろ低い商品になります。ですが、連続で増配しているので、過去の実績では10年で2倍ぐらいに成長しているそうです。
以上見てきたような魅力を持つVIGですが、半面弱点もあり、GAFAのような王道の成長株ファンドが入っていません。バランスで見るとS&P500のようなファンドの方がより成長性はあるかと思いますが、私自身は5年間のVIGの運用成績に充分満足しています。よかったら参考にしてみてください。